アベノミクスとは?
2012年の12月26日以降、新聞やテレビを始めとした各種メディアを賑わせた言葉があります。
それが、ここで取り上げる「アベノミクス」です。アベノミクスという言葉は、今や聞いたことの無い人はいないというくらい一般化しています。
しかし、その内容については詳しく知らないという方も多くいらっしゃいます。
そこでこのページでは、アベノミクスとは一体何なのかということを詳しく紹介していきたいと思います。
アベノミクスの概観
アベノミクスとは、2012年12月26日に始まった第2次安倍内閣で打ち出された一連の経済政策を指す言葉です。
政策の最大の目標は景気の回復で、デフレからの脱却のために様々な政策が行われました。
アベノミクスは、3本の矢と呼ばれる経済政策によって成り立っています。
首相自らが表明した3つの経済政策によって、デフレ脱却を図ることが就任早々に打ち出されました。
このアベノミクスを構成する3本の矢には、2012年12月に発表されたものと、2015年9月に発表されたものの2つがあります。
以下では仮に前者を「旧3本の矢」、後者を「新3本の矢」として説明していきたいと思います。
旧3本の矢
2012年12月に打ち出された3本の矢(旧3本の矢)と呼ばれる経済政策は、具体的には以下のものを指しています。
大胆な金融政策
第2次安倍内閣はデフレ脱却のためにインフレターゲットの導入し、これに合わせて日銀に対して物価目標を定めるよう働きかけました。
これは日銀法の改正も視野に入れた上で行ったもので、それまで独立性が重視されてきた日銀への対応としてはかなり異例のものでした。
日銀はこの働きかけにより、物価目標が達成されるまでは無制限の量的緩和策を取ることを決定しました。
機動的な財政政策
2013年1月、歴史上2番目の規模となる補正予算案が閣議決定され、これにより従来の財政政策が転換することになりました。
この予算案には、東日本大震災からの復興や防災対策、橋やトンネルなどの補修・修繕費、通学路の安全対策などが含まれ、予算の総額は13兆1千億円となりました。
政府はこの予算も含め、これまで縮小傾向だった財政支出を今後は機動的に行っていくことを表明しました。
民間投資を喚起する成長戦略
新政権の下で発足した産業競争力会議において、民間投資を喚起する成長戦略について議論が行われ、2013年には具体案がまとめられました。
その中で示されたのは、以下の7つのテーマです。
- 産業の新陳代謝の促進
- 人材力強化・雇用制度改革
- 立地競争力の強化
- クリーン・経済的なエネルギー需給実現
- 健康長寿社会の実現
- 農業輸出拡大・競争力強化
- 科学技術イノベーション・ITの強化
新3本の矢
2015年9月に打ち出された3本の矢(新3本の矢)と呼ばれる経済政策は、具体的には以下のものを指しています。
希望を生み出す強い経済
これは旧3本の矢を引き継いだ要素として出てきたもので、積極的な金融政策や規制緩和などを進めていくというのがその内容です。
また、地方と都市部の格差の解消、地方の活性化といった課題に取り組みながら、GDPを600兆円に増やすという目標も掲げられました。
夢を紡ぐ子育て支援
国が子育て環境を積極的に整備していくというのが、この政策の大まかな内容です。
具体的な施策としては、保育所の充実や不妊治療の支援、婚活への援助などが挙げられます。
安心につながる社会保障
この政策は、主として介護に関連した問題を国が解決・支援するというものです。
近年では介護に関連した問題が社会的にも深刻化しています。
こうした状況を鑑みて、高齢者の労働環境の整備や介護士の人材育成、介護施設の増設といった過大に取り組むのがこの政策の目的です。